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冬用のグローブを装着したのは早計だった。
ごわごわはそのうち慣れるのを知っているが
それよりもまだ少々暑かった。
明日は冬の気温でという天気予報を信じ
そうか冬なら冬対応グローブでしょうな
淀みなく滞りないダンドリを打ったはずだ。
とはいうもののいつもの春秋用だと今度は
手がかじかむ。
えー手なんかかじかまないよー
と思った諸君、試してみるがいい。
即ち、21時30分東京市部樹木の鬱蒼と
した都道において時速60km、実際そこまでには
大凡20kmの道程をもって駆っている場合この時節で
さえ春秋グローブでは手がかじかむことこれあり。
とはいうものの真冬のそれに比べれば
おいなりさんと金玉袋ほどの違いもあることだし
そんなに声高らかに歌いあげなくともよいのだ。
とはいうもののことオートバイという乗り物は
我慢の連続で出来ている。
やれ
寒いだの暑いだの熱いだの濡れるだの凍るだの
冷たいだの痛いだの痛いだのという何種類もの
苦行を体験できる。
数々の苦行を乗り越えてこそなどと言うつもりは
毛頭ない。
乗り越えられずに詰む。
それもまた真だ。
素敵だ。
オートバイとはそういう乗り物でござる。
ざざざ
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