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人とは斯くも押し並べられるものだらうか。
昨日まで素頓狂だった輩が役席を付与へられた
途端みるみるうちに角が取れ、或ゐは角を造り
押し型にすっぽりと収まるやうな体裁。
煎餅の形抜きのやうだ。
しかし違和感は直ちに収まる。
押し流される感情の流れを、正しく整へる
時間もないまま、矢継ぎ早に試練の裁量が
紡がれるためだ。
充実した、日常と非日常を謳歌スル。
溌溂とした彼らに従い、理の想ゐは
絞台の奥深くに沈める。
最良の結果かだうか。
全ては己と相手との磁場で決まる。
一期をして最良の果てを知ル。
1902年
決戰盲社刊 オプノイウ著「因果導水読本」より
麩の章
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