2011/12/06

(No.1568): 複雑怪奇


理数系の人はIT業界に向いている
などというのは大きな間違いだ。

筆者の古い友人などからお前は
理系だったから、コンピュータ関係の
仕事で良かったよなぁ
などと言われることがあるが
それは、キミ、大きな勘違いだよと
言ってあげよう。

一般の人が思うIT業界人っていうのは
たぶん、こんな人なんではないだろうか。
PCの前でカチャカチャとキーボードを
叩いてプログラミングをしている
寝る間も惜しんで的だったり
食べ物とかアイスクリームとか残骸が
デスクの周りに散乱してたり的な
そんな人達。
しかもデブ。

コンピュータシステムの開発というのは、
プログラミングだけではない。
プログラミングというのは開発工程の
一つに過ぎない。
どのようなプログラムを作るのかという
設計が必要になる。
そもその設計というもの、いや設計に至るまでの
工程こそがシステム開発のキモといっても
過言ではあるまい。

どういうことかというと、つまり、
システム化の目的は何なのかということ。

受託開発を例にとると。
例えば今までの仕事のやり方だと○○費
(コスト)がかかるからコスト削減したい
という目的であるなら、
今、何が問題になっていて、
どこをどう改善すればコストが下がるのか
といった業務分析をしなければならない。

そこから要件を定義し、大凡何をやるのか
というお題目を作る。
次に入出力どうするとか扱うデータの事とか
画面はどうするとか、そんな仕様を考える。
次にもうちょっと細かいところを詰めたり
実装する際の設計書的なものを
作ったりする。
そしてようやくプログラミング。
その次は今の順の逆でそれぞれの工程に
対するテストを行う。

実際はもっと複雑怪奇であり、
上記例とは別な開発手法もあるが
簡単になぞるとシステム開発とは
上記のような工程を踏むものだ。


しからば問う。
一体この工程のどこに
理数系の得意な人集まれッ!的な
要素があるというのだろうか。

理数系というよりは、ヒアリング能力
業務分析能力、問題解決能力などの
コミュニケーションスキル及び
それらをとりまとめた
ドキュメンテーションスキルを多く
必要とする。

そして最も重要なスキルは、
システム化を図るその業務の知識が
システム化を希望している顧客なみに
必要になるということだ。

つまり、
例えば化粧品屋さんのシステムなら
化粧品屋さんにならなければならないし、
魚屋さんのシステムなら魚屋さんに
ならなければならない、ということだ。
そうしなければその業務の問題点も
見えてこない。


だから、何系というものでもないだろうが
理数系だから向いている
ということではないのだ。







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