2011/12/27

(No.1587): 四輪酔狂


過日、会社の人とたまたまクルマの話しになり
エフオピさんは何に乗っているんですかと聞かれ、
鼻を膨らましながらこう言った。
僕ぁ、フィアットのパンダひゃくエイチピーって
いうのに乗ってますと答えた。
おそらく10人に聞かれたらそのうち一人として
そのクルマが何であるのかわからないだろう。
案の定、わからなさそうだったので
フィアットのニューパンダの種類です
と付け加えたのだが、そもそもフィアットは
もとより、ニューパンダ自体もよーわからん
ときているので、いつものテキトー王子が
ここぞとばかりにお出ましになられ、
テキトーにその場を繕った。

その際、マニュアルなんですと話すと
えーマニュアル車なんですか!
と驚かれる。

日本ではクルマはオートマチックが当たり前に
なっているので、マニュアル車というのは
かなり特異であり、マニアック或いは
商業車という印象があるようだ。
しかも最近の若い子はマニュアル車自体も
見た事がないかもしれない。
バスでさえオートマチックの時代だ。

「もうオートマチック車は駄目です」
「え?運転できないんですか?」
「いえいえ運転できます。実家はオートマですし」
「駄目って?」
「つまんないんです」
「は?つまらない、とは?」
「いや、運転するのが苦痛なんすよオートマだと」
「楽じゃないですかオートマ」
「それが嫌なんです」
「クルマなんて走りゃいいじゃないすか」
「もう君とは住む次元が違うようだ」
「意味がわかりません」
「あのクリープ現象だけは我慢できん」
「渋滞の時便利ですよ」
「自分の意思と技量で動かしたいのだ」
「いちいちクラッチ踏むのなんて嫌ですよ」
「君には半クラッチの美学なんて到底理解
できぬだろう」
「できませんよ」
「まぁ聞け。アクセルを踏まずにアイドリング
だけの動力で、半クラッチのみでそろーり
そろーりと自動車を操る事など君にはできまい」
「だから、できませんよ、うぜーな」
「君にはそういう半クラッチの美学はないのかね」
「あるわけないしょ、うっせーよジジィ」
「シフトチェンジのダイナミズムに
君は恍惚としないというのかね」
「いちいち面倒くせーなー」
「君はただただ三葉虫のようなアクセルペダルを
踏むだけかね、そんな状況で君は満足かね」
「もう帰る」
「おぬしの左足が僕もペダルを踏みたいと
泣いておるぞ」
「気色悪ッ、なんやおっさん、変態か」
「あーわしゃ変態じゃ。変態のマニュアル車魂じゃ」
「シネッ!ボケッ!」
「あー楽s







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