2012/04/24

(No.1694): 金曜日の15時には


大学を出て就職した先は大手電機メーカーの
子会社の開発部署だった。
しかしたった1年あまりで退職したのだった。

大手電機メーカーといっても一般消費者向けではなく
企業向けの装置を作っていた会社だ。
28年前の当時は、まだ無名に近く、電気関係では
かろうじて名前を耳にする程度の会社だった。
しかし今では、TVCMもバンバンやってるし
なんせコンピューターメーカーとして日本に
いや、世界でも通用する指折りの企業に成長した。

今でも、1年あまりしか在籍しなかったこの会社の
ことを思い出す事がある。
第一技術部第一技術課という最前線の部署だった。
鬼のような残業と休日出勤の日々。
水曜日はノー残業デーのはずがこの部署だけは
例外だった。

19時くらいには夕飯のメニューが回って来る。
23時過ぎると毛布が支給される。
金曜日の15時には土曜と日曜の休出申請書が配布され
言われるがまま申請書に記入する。
そんな職場だった。

よく1年ももったものだ。

あれから四半世紀以上も経っていろいろな場面を
経験したうえで考えてみても、
それでもやはりあの環境はオカシイと思う。
あの過酷な状況は完全にマネジメントされていない
無法状態と等価だと思う。
そんな環境で、良い仕事ができるはずがない。

仕事だから我慢するという時代は終わっている。
機械が仕事してるわけではないのだ。
仕事をしているのは人間だ。生身の人間だ。
人が我慢してまで良い仕事ができるとは
到底思えない。

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