2012/10/01

(No.1812): 神無月の謎


神無月である。カンナヅキと呼称する。
神様がいなくなるという説を受けるとすれば
日本全国の八百万柱の神々が
これからの一年を決める大会議を執り行うために
出雲大社へ詣でるといわれている。
ご存じの通り出雲大社は日本で最も古い神社の
一つであり、メインにお祀りしている神様は
大国主命(オオクニヌシノミコト)である。

大国主命はすなわち国津神系であり、
国津神系の祖といえば、建速須佐之男命
(スサノウノミコト)である。
ちなみに
スサノウの数代先の子孫が大国主命である。


ところで、
現世における神社には二系統あるのを
ご存じだろうか。
すなわち上述のスサノウや大国主命を祖とした
国津神系をお祀りしている神社、
それとは別に祖を天照大神(アマテラスオオミカミ)
としている天津神系をお祀りしている神社である。
ちなみに天皇家は天照大神を祖としている
天津神系である。

とはいうものの、現代ではっきり区別している
神社はそう多くないと聞く。
つまり天津神系の神様と国津神系の神様の双方を
お祀りしているケースも多いのだ。


スサノウとアマテラスは兄妹である。
アマテラスはお姉さん、スサノウは弟だ。
(実は三人兄妹で、アマテラスとスサノウの間に
ツクヨミというお兄さんがいる。
スサノウは末っ子だ。)

以下有名な神話。
大幅に端折って解説する。

詳細ははぶくが、スサノウとアマテラスの
兄弟喧嘩(天の岩屋に隠れた件)の末、
スサノウは野に下る。降りた先が出雲である。
そこでヤマタノオロチ退治とか諸々あって
出雲を統治するのだ。

そこへアマテラスが高天原から降りてきてこう言う。
「ちょっとぉアタシがそこもらうからアンタ出てってよ」

スサノウ(国津神)は、断るのかと思ったら
「はいはいそのかわり立派なお家を建ててくらさい」

なんて、おいおい意味わかってるのか的なことを言って
あっさり明け渡してしまう。
これがいわゆる「天孫降臨」である。

ということになってはいるが
実際は大戦争になって奪い取った説もアリ。
いまの天津神系の牛耳る図式からして
良いことしか書き残さない的な塩梅式の説。


しかし、
そんなこんながありながらも国津神系の出雲は
未だに一目置かれる存在であり、
現世では天津神が統治したにもかかわらず
神無月という呼び方が示す通り、日本全国の
八百万柱の神々が出雲へお集まりになるのである。

八百万の神々の中には当然天津神もおられる。
あのアマテラスさえも出雲へ赴くという。
ただし、最後に来て、最初に帰るのだそうだ。
さすが姉貴。


0 件のコメント:

コメントを投稿