2012/02/16

(No.1636): 31年前の自動車教習所


筆者が自動車の運転免許を取ったのは
今から31年前の1981年だ。
当時の自動車教習所は怖ーい教官が
沢山いらっしゃった。
どのくらい怖いのかといえば、
後述するが、今じゃ考えられないぐらいに
理不尽と不条理に満ちていた。

筆者は2005年、二輪免許のために24年ぶりに
教習所に通った。
その時、自動車教習を遠まわしに
見ていたのだが、その変わり様に、
腰が砕けそうになった。

教習時間になると、教官がクルマのドアを
開けて、「教習生サマをお待ちしているのだ」
まるで、お抱え運転手が、ご主人サマを
お迎えするように。
しかも、「笑顔」でだ。

おそらく、教習所ビジネスの
生き残り作戦として、教習生に
気持ちの良い教習をしてもらおう、
そういう主旨なんではなかろうかと思う。
あすこの教習所は、いいよー
と口コミでも広がれば教習生も増えるし
利益になる
そんな塩梅式ではなかろうか。

だから、
教習生はご主人サマ的にお迎えするのだ。

いや、全然いいんじゃないでしょうか。
全く問題ございません。
しっかり教習さえして頂ければ
何も問題ございません。




31年前の筆者の通っていた教習所。
教官は全員パンチパーマ。
男の教官が多かったが女性の教官もいた。
おばさんだったが、当然、その方も
パンチパーマだった。

棒を持っている教官もいた。
木刀までは長くなくて警棒みたいなやつ。
それで、左足(クラッチ)をグリグリと
苛められる。
発進時ガタンとエンストすると
「ッらーッ」とか言われて
警棒で左足をこずかれる。

教習車は日産グロリアだったか、
前進3速のコラムシフトで、
ハンドブレーキはT字のレバーが
ハンドル左下あたりから
にょきっと出ているクルマだった。


そんな31年前の自動車教習所での
一番理不尽だった思い出。

教習開始の時、よろしくお願いしますッと
元気よく挨拶し、運転席に座る。
(元気よく挨拶しないと怒鳴られる)
手に持っていた上着を後部座席に置いた刹那
それまでにこやかだった教官(男性)が豹変した。

「おいコラてめぇ何やってんだ十年早ぇんだよ」

最初、意味がわからなかったが
どうやら、運転席に座ったままで
上着を後部座席に置いたのが
いけなかったらしい。

だはッ、す、すすいませんと
取り乱しながら上着を取って
後ろに入れ直そうとクルマから降りようとしたら
「おいッドア開ける前に後ろ確認せいッボケッ」
とまた怒鳴られ
「もういいッ時間なくなるッ チッ」
と舌打ちまでされた。

上着を運転席から後部座席に置くには
10年のスキルが必要なのだ
ということを学んだ。


自動車教習所とは
そういう場所だと思っていた。

今思うとこのような理不尽とさえ見紛う
行為には、理由があったのだと思う。
当時、所謂暴走族が大ブームで
18才前後の筆者のような生意気そうな
若造には特に厳しかった。
(筆者は暴走族ではなくヲタクだったが)
そんなことされたことないよ
と言う友人もいたが、筆者の周りでは
ほとんど
教習所=ウザイ+恐怖という式が
成り立っていた。



教官がクルマのドアを開けて、
「教習生サマをお待ちしているのだ」
全く問題ございません。







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