2012/05/11

(No.1709): 遠野25年序文


柳田國男の遠野物語は明治43年に初版し、
その25年後の昭和10年に遠野物語拾遺を出版する。
先ずは遠野物語に記載されている序文の文体と
遠野物語拾遺の序文での文体の変化が面白い。

この25年というスパンは相当な文化的変化が
あったのだろう。
すなわち、明治43年の序文は昔言葉が多く
今では使わない言い回しばかりだ。
昭和10年の序文はずいぶんと現代語になっている。
少々古めかしさもあるが、現代語として
まったく普通に読める。
話し言葉に近い。

たった25年でこの変わりようは激しい。
なぜなら、我々の25年前の文章と今の文章では
違いはほとんど見当たらないだろうからだ。
この25年間は明治後期から大正、昭和初期の時代
ということになる。
我々の体験した1987年からの25年とは
まるでわけが違う。
なにしろ、
この文体の変わり方がそれを物語っている。


さて、本文のほうであるが、これまた
時代背景の妙を彷彿とさせてくる内容ばかりで
日本の民俗学黎明期を築く祖である評の通り
たいへん居心地がよい。

実は初めて読んでいる。
続きはまた。


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